一人暮らしをしていた89歳の女性が介護施設に入所することになり、そのお家のお片付けの依頼を受けました。

認知が少しありましたので契約はご本人とその妹さん両者で取り交わし、介護施設、大家さんにもご協力をいただきながら作業を進めることになりました。

作業初日には依頼者ご本人にもお越しいただき、今まで住み慣れたお家の卒業式と題して、過去を振り返りながらこれから必要となる物の選別を行いました。

途中、「これはどうしますか?」の私たちの問いに対して「そこの引き出しにしまっておいてくれるかな」とのお返事。
「ごめんね。今日でこのお家から卒業なんだ・・・」その言葉に寂しい表情。
このやり取りを何度も行いながらも無事に最低限の荷物の搬出を搬出することができました。

その後は約2週間にわたり貴重品の捜索と思い出の品の捜索が終わり、その後に家具や不用品の搬出を行いました。
私たちのお片付けの特徴は「時間がかかる」ところ。
少しでも依頼者に還元ができるように衣類のポケットを一つ一つ確認しながら行ったり、封筒でも中身を全て見ながら作業を行います。
過去には漬物が漬けてあったぬか床から指輪やネックレスが出てきたことも。

そこに住んでいた人の生活パターンや、生活、癖などを想像力豊かにして推理を行いながら作業を進めていくことで貴重品の発見はもちろん、ご家族も知らない一面を発見することができるようになります。

依頼者に寄り添い想いをもった作業が私たちの基本です。