リュウマチの悪化で介護が必要になった60歳代の男性。
離婚をされて一人娘とも疎遠になっており家族の支援は受けられないが、在宅で介護を受けることになりました。
しかし自宅は男性の一人暮らし。
手足のリウマチがひどく歩くこともままならない。
しかし部屋の中は荒れ放題でとてもヘルパーさんがお世話をできる環境になく、清掃業者に部屋の片づけと清掃の見積りを依頼するも高額でとても払うことができない。

当の本人も部屋を触ってほしくなく、片づけにも介護を受けることにも積極的になれずにいました。
そこでどうしたら良いかとケアマネージャーから相談がありました。

まず提案したのは利用者さん本人と私たち生前整理診断士の面談。

そこで私たちが確認をしたのはどうして荒れ放題の部屋を触ってほしくないのかでした。
雑談を交えながら少しずつ関係を作り聞き出した答えは、「そこには約20年住んでいたことで環境の変化に対する恐怖心」がありました。
本人は目を閉じていてもどこに何があるのかがわかる今のお部屋。
生活をしていくにも足元が悪く危険がたくさんあるけど、住み慣れた環境が変わることのほうが恐怖に感じておられました。

次に私たちからは今後の生活をイメージしていただけるようにお話をさせていただきました。
部屋の中にあるものはほとんどが使えない物。
それを整理することで足元が片付き安心して歩けるようになることと、今はまだ動けているから自分で片づけや探し物ができるかもしれないが、もう少し症状が悪化すると完全に人を頼らなければ生活ができなくなることをお話しました。

その時にお世話になる人たちに対して今のような部屋で面倒を見てほしいは、その人たちに対して失礼だと伝えました。

ご本人はその言葉で自分だけの問題ではないと気付かれたようで、部屋を片付ける方向を向くことができました。

費用の部分に関してはごみの処分費が高いので、今回は使っていない部屋に処分するものを集め、廃棄は費用を貯めてからということになりました。

清掃も簡易清掃を部屋全体に行い、お風呂、トイレ、台所を重点的に行いました。
壊れていた冷蔵庫、ガスコンロを中古の物に交換して作業は終了。

 

作業終了後はご本人にもケアマネージャーにもすごく喜んでいただけました。
大きく費用の抑制もでき、依頼者と一緒に片づけを行ったことで満足度が非常に高かった案件になりました。

継続して娘さんとの関係性を改善することの支援と費用が貯まったときにごみの処理を引き受けることのお約束をさせていただいて関係性は今後も続きます。